「やはり、勿来の関はいわきだった」と言えば、多くの人が「えっ何言ってるんだ 昔からあそこだっぺ」と言う。
そこで元勿来関顕彰会の会長さんをお尋ねすると悲しそうに「勿来関は宮城に歩いて行っちゃった」と言う。
私が、佐藤一先生の『勿来関と源義家』に出会ったのは四十年も前のことになる。
この本は、昭和三十一年、先生が湯本高校で教鞭を執られていた時、生徒のお手伝いを得て完成させた大作です。
今では、図書館にも殆どないので、いつかは復刻本を出したいと考えていました。
大震災の津波被害を受けて始めに設計の依頼があったのが佐藤一先生のお宅でした。
先生は、二十年前に亡くなられていて、お会いすることはありませんでしたが、不思議を感じました。